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Meditations 18.2
奏者に見立てた小型モーターや歯車装置を、太陽光などで自律的に駆動させる自作の自動楽器モビールを用いたパフォーマンスを繰り広げ、フルクサスをはじめとする欧米の前衛芸術運動に深く関与したJoe Jones。国宝級のオリジナル自主カセットテープ('89)を、01年に150部限定でレコード化したもの。収録しているのは、オランダの現代美術センターDe Vleeshalで二日間に渡って行われた89年の自動楽器パフォーマンス。淡々と連なる爪弾きの層から立ち上がってくるプリズム状のゆらぎ。壊れたおもちゃのオーケストラといった趣きもある夢見な音浴体験。最晩年の姿を写したジャケもステキ。大推薦盤! LISTEN |
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Tiare
Steve Lacy、Derek Bailey、Alvin Curran、Lol Coxhillら、世界各国のつわものと即興実験を繰り広げながら、ミニマリズム、エキゾチシズム、環境、映像、その他もろもろのみ込む想像力と空間感度を総動員した名盤の数々を生み出している、イタリア出身の打楽器奏者/作曲家Andrea Centazzo。手描きエディションを付した各々異なるハンドペイントジャケという仕様で300枚のみ制作された85年作。滝に打たれてる感覚のドラムスとシンセのフルテン全身浴、環境音を交えた脳内サウンドスケープ、産地不明の疑似ガムランミニマルなど、知覚を揺さぶる強力な内容。大推薦盤! LISTEN |
Å Det Va Du, Å Det Va Je
Torgrim Sollidによってほぼ同時期に発表されている『Østerdalsmusikk』と並ぶ、ノルウェーにおけるジャズとフォークロアの歴史的クロスポイント。音楽学者Ole Mørk Sandvikの民謡採訪記に記された、ノルディックフォークロアの霊地エステルダール地方の民謡の譜面に着想を得て制作された76年作。編曲を手掛けたサックス奏者Harald Gundhusとピアノ奏者Egil Kapstadを中心に、『Østerdalsmusikk』の面々を含む編成。素朴のなかに薫り立つようなエレガンスを秘めた歌声は、歌手Anne Karin Tønset。試聴は、室内楽調の優美なアレンジで綴られる『Bukkehorntrall』から。大推薦盤! LISTEN |
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Machine Messages
コンピューター音楽の研究と芸術的進歩を目的として、89年にオーストラリアで設立されたACMA(Australian Computer Music Association)。協会員の実践をコンピ仕立てで紹介している92年作。コンピューター内部の物理的な作動音を用いたユニークな一曲は、自主レーベルInnocentを拠点に、実験音楽、サウンドアート、ポストパンク等が自由に往来する極めて創造的な地下シーンを先導した鬼才David Chesworth(ex Essendon Airport)。その他、コンピューターによる自動生成システムを用いた作曲に取り組むChris Knowles、コンピューターを介した音声の変換に着目したWarren Burtら全10組。大推薦盤! LISTEN |
Wasser Im Wind
Kluster → Cluster → Harmoniaへと至る70年代クラウトロック経由の電子音楽進化実験をぶっちぎりで先導したレジェンドであり、WooやRimarimbaへと連なる宅録スケールの手仕事系ホームメイド電子音楽の祖としても重要な人物Hans-Joachim Roedelius。自宅スタジオで録音された82年作。淡い歌心を滲ませる持前の牧歌ミニマルに加えて、プレテクノ調のアブストラクトなビートづかいも堪能したい全9曲。サウンドと反応して今にも動き出しそうな美しいアートワークは、同氏のソロワークスで印象的なジャケの数々を手掛けている写真家の妻Christine Martha Roedelius。Schallter白ラベル盤。大推薦盤! LISTEN |
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Glimt
柳の樹皮から作られるセリエフルート(seljefløyte)と呼ばれるノルウェーの伝統的な牧笛の奏者でもある民族音楽家/歌手Eli Storbekken。同国各地の伝統歌の編曲を中心に構成されている89年作。斬新な解釈で伝統に切り込んでいるのは、ご当地アンビエントの先駆となった『Grenseland』や、そこから舞台やダンスに接続された高次元モダンポップへと進化した『Windshave』で知られる作曲家/マルチ奏者Svend Undseth。作編曲のほか、サックス、フルート、シンセ、ギターで全面参加。電子音やプログラミングビートが駆使された五感的音像に映える霊性フォーク仕立て。大推薦盤! LISTEN |
Symphonie Au Bord D'un Paysage
『白雪姫』を電子音化した音響絵巻や、活動拠点である電子音響研究の総本山INA-GRMでの映像と音響に相関する取り組みなど、知覚の拡張を目的とした数々の先鋭的実験を繰り広げている作曲家Jacques Lejeune。代表作のひとつに挙げたい83年作。鳥、虫、犬を含む自然音のほか、足音、子供の声、鐘楼、街角のファンファーレ、カサカサゴトゴトなどの正体不明の物音、その他もろもろをいじくり倒す分裂コラージュ的ミュージックコンクレート。試聴は、磁気テープ上で鳥や動物が鳴き交わす庭先交響曲の一幕。目まぐるしい音の動きをダイレクトに体感できる超高感度音響も圧巻。大推薦盤! LISTEN |
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Carte Blanche
リエージュ出身の作曲家Marc-Henri Cykiert。80年代にかけてFrederic Rzewskiのもとで作曲を学び、Henri Pousseurによって創設された電子音楽研究センターにおいて、電子音楽、ジャズ、即興演奏に取り組む人物。そんなゴリゴリの経歴からは全然予測できない着地点がこちら。ご当地マイナーレーベル(自主?)から発表した85年の1stアルバム。試聴は、軽妙洒脱なセンスに脱帽のミュータントエレクトロ『Clip Clap Clopes』から。ご自身のサイトによると、現在はここから、世界の伝統音楽、ジャズ、即興演奏が交差する狭間のスタイルに到達しているとのこと。このバランス感覚見習いたい。大推薦盤! LISTEN |
Now
スラヴのフォークロアに着想された女声三声のチャントグループとして90年に結成されたポーランドのグループKsiężyc(月の意)。最初の録音作品となる、93年にヴロツワフの廃教会で行われたパフォーマンスを収録した同年発表の七吋ミニアルバム(A面33回転/B面45回転)。リリースは、世界の周縁音楽とご当地異端音楽を結ぶ媒介となって同国の地下音楽/パフォーマンスアートシーンを先導し続けているOBUH Records。スラヴの大地に深く根を張る異教神話のフォークロアと幽玄とした音場の空間性が反応している魔界風情まんてんの音響儀式。笑い声だけの不気味な曲も…。大推薦盤! LISTEN |
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Jordsalme
ジャズ、実験演劇、ダンス、詩といったカウンターカルチャーの中心地として、60年代〜80年代オスロの地下シーンで大きな影響力をもった文化センターClub 7を拠点に活動した、ノルウェーの劇作家/女優/歌手Pernille Anker。伝統的な民謡を含む全12曲で構成された、ノルディックフォークロアの風土を五感で感じることができる85年作。なかでも、祈りの歌と打楽器の伴奏のみで綴られる、馥郁とした陰影に満ちたBサイドが秀逸。打楽器は、同時期に発表している民族打楽器を用いたソロ名義作が探求者の間で再発見されているチュニジア生まれの打楽器奏者Gilles Obermayer。大推薦盤! LISTEN |
小口大八と御諏訪太鼓
農業信仰に由来する田園神楽と諏訪大社の鼓舞楽の混流を起源とし、そこから戦国時代に至って武田信玄お抱えの陣太鼓として発展した御諏訪太鼓。録音作品としては最初期の一枚となる73年作。率いる打頭は、古来の神楽太鼓を革新的な組太鼓スタイルに磨き上げ、Art Blakeyとも越境的共演を繰り広げた、宗家小口大八。試聴は、脳天に差し込む絶唱木遣りから怒涛の高速乱打へと雪崩れ込む一幕。続いて、大地をゆるがす雷鳴を表しているという、軍楽としての御諏訪太鼓のプリミチヴな熱量をもりもり感じることができる総動員の人海ドラミング。長野県某所で眠っていたデッドストック発掘。大推薦盤! LISTEN |
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No Man's Land
Miles Davisをはじめとする精神世界の冒険家たちを人跡未踏の仮想異郷へと導いた異能画家Abdul Mati Klarwein。Jon Hassellと共に『第四世界』と呼ばれる想像上の音響理想郷を生み出したのもこの人。自ら録音に参加しているちょっと珍しい97年作。同じく仮想異郷の住人であり、森羅万象呑み込んだスウェーデンの怪物グループArchimedes Badkarのひとりとしても知られる異能打楽器奏者Per Tjernbergとの共作。五感的音像に自前の詩を重ねた霊性トライバルフュージョン全11曲。匂い立つようなエキゾチシズムを放つヴィジュアルの数々と共鳴して脳内辺境旅情まんてん。大推薦盤! LISTEN |
All-Out
60年代からヴォーカリゼイションの先駆的な探求に取り組み、NYロフトジャズシーンの最前線で活動する傍ら、Steve Reichとの長期に渡るメンターシップを構築、『Drumming』や『Music For 18 Musicians』といった名盤にも参加している声楽家/作曲家/音楽教師Jay Clayton。ロフト系カルトレーベルAnima Productionsから発表した最初のリーダー作となる81年作。身体の芯からじわりと温まってくる有機的な音声の輪舞『7/8 Thing』収録。ミニマルなビートを刻んでいる打楽器は、本盤に打楽器奏者として参加している音響彫刻デザイナーBill Buchenによる、動物の骨を素材にした創作打楽器。大推薦盤! LISTEN |
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Adventure
スイスのフルート奏者/作曲家、四次元の旅人ことJoel Vandroogenbroeckを中心に活動した不定形の音楽集団Brainticket。自主レーベルから発表した最後期の一枚となる80年作。同グループ名義のこれまでの70年代クラウトロック直系の作風とは異なり、これと前後して独Coloursound Libraryを拠点に展開される、同氏の単独名義によるイマジナリー時空旅ワークスに連なる内容。マージナルな響きに満ちた地球外民族音楽や、オーガニックなタッチのクロスオーヴァーサウンドを散りばめた脳内サウンドスケープ仕立て。同傾向のグループ最終作『Voyage』と合わせてどーぞ。大推薦盤! LISTEN |
Afghanistan - Music From Kabul
紛争と混乱の中で継承が危惧されるアフガニスタンの伝統音楽集。紛争以前の貴重な録音物の中でも、屈指の一枚とされる73年の現地録音盤。まずは、史上最も優れた奏者と謳われた巨匠であり、ドイツのEmbryoとも異種融合実験を繰り広げたラバーブ(ルバーブ)奏者Ustad Mohammad Omarの鬼気迫る演奏から。匂い立つような五感的音像に異郷の霊気を丸ごと封じ込めた見事な録音は、ロフトジャズへと連なる伝説の多文化パフォーマンススペースSOUNDSCAPEを立ち上げる民族音楽学者Verna Gillis。在りし日のバーミヤン石仏をあしらったジャケも含めて、人類音楽遺産級の逸品。大推薦盤! LISTEN |
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Peaceful
オーストラリア初の長編実験映画とも云われる『Marinetti』(69')において、ジャズ×ミュージックコンクレートというBernard ParmegianiやBasil Kirchinも真っ青の異次元サウンドトラックを生み出す作編曲家/ヴィブラフォン奏者John Sangster。同国の豊かな自然や動物たちの営みに着想を得た環境ジャズの制作に取り組むなかで発表された80年作。瑞々しいエキゾチシズムを漂よわせる魅惑のムードジャズ全8曲。深みのある陰影を添えている背後の匂い立つような音像も◎。ソフトなタッチに油断してると、知らぬ間に奥深くに踏み込んでいてはっとする場面も。お部屋に飾りたい密林ジャケ。大推薦盤! LISTEN |
tHe cHILd cLowNs / tHE mAgiC lAnd
自身のレーベルHumming Birdの名の通り、まるで小鳥のさえずりのようにサックスをピーチク吹き鳴らす怪人Henry Kuntz。中南米や東南アジアの秘境を訪ね歩き、伝統音楽、古代文明、先住民族の営みから得たインスピレーションを基に、マルチトラック多重録音よる四次元との対話とも云うべき即興実験に取り組む異才。80年代から始まったイマジナリー民族音楽シリーズの一本となる83年作。音声、ウクレレ、玩具ヴァオリン、ネイの噴火気味に迸る素っ裸の演奏に、身も心も清められた気分になること請け合いのナゾナゾ疑似呪術儀式。ご本人によって保管されていた貴重デッドストック。大推薦盤! LISTEN |
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Dust To Dust
変化、反復、加減速、メモリー、模倣といった、予め定義された様々なタクトの動きによって、即興演奏をリアルタイムで指揮・合成する『コンダクション』と呼ばれる集団合奏システムを考案し、世界各地の一線の即興演奏家たちと実践した異才Butch Morris。Andrew Cyrille、Wayne Horvitzら総勢15名の演奏家/音響エンジニアと共に、NYのスタジオで3日間に渡って行ったコンダクションの実践の模様を捉えた91年作。試聴は、厚く折り重なった響きのひだから淡い光の印象が立ち上がってくる圧巻の一幕から。その他、パンニングなどを駆使して空間を揺さぶる乱調室内楽など全7曲。大推薦盤! LISTEN |