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Six Songs
Morton Subotnickに師事し、80年にも手仕事感あふれるホームメイド電子音楽の良作『No Imagination』を残している、電子音楽家コンビGregory Jones(aka Rad Solar)とRoy Sablosky(aka Jon Velcro)による、別働グループStandard Of Living。唯一の作品となる全6曲入りの82年作。じわりと機微に触れてくる淡い宅録の音情に覆われた『No Imagination』での繊細なシンセづかいは身を潜め、フルテン&むきだしの電子音と逸脱気味の疾走感で崖っぷちを駆け抜けるエレクトロパンクへと反転。『She Loves You』の甘酸っぱいローファイカヴァーなんかもあり。大推薦盤! LISTEN |
Artistry
終息したかに見えたNYのフリージャズに、青白く燃え上がる鬼火のような冷たい炎を灯した、ロフトジャズムーヴメントを象徴するグループThe Revolutionary Ensembleへの参加で知られる、ダブルベース奏者Sirone。フルートJames Newton、打楽器Famoudou Don Moye、チェロMuneer Abdul Fataahという変則編成で録音された、最初の自身名義作となる79年の自主制作盤。強靭なしなやかさと薫り立つようなエレガンスを備える、磨き上げられた崩しの作法に魅せられっぱなしの極上室内楽ジャズ全4曲。隅から隅までめちゃくちゃヒップな雰囲気。手製テクスチャスリーヴ仕様。掛け値なしの傑作。 LISTEN |
Ethiopia III - Three Chordophone Traditions
ベゲナ、クラル、マシンコという、エチオピアの音楽的アイデンティティにおいて今なお重要な位置にある三つの伝統弦楽器にフォーカスした、80年代の現地録音盤。ユネスコ監修の名物シリーズ『An Anthology of African Music』の中でも、現在入手最難関となっている一枚。まずは、不眠症の治癒に用いられたという伝承も残されている、さわりを帯びた滋味深い弦の響きが心地いい、ダビデの竪琴ことベゲナの演奏。問わず語りな爪弾きでなんとも云えないピースフルな音楽空間を生み出しているのは、のちにÉthiopiquesを通して世界に紹介される、希代のベゲナマスターAlemu Aga。大推薦盤! LISTEN |
Decoder - The Soundtrack
人々の行動が無意識のうちに操作されてる近未来の管理社会を舞台に、神経にダイレクトにキく手製ノイズテープによって社会の混乱と覚醒を企てる男の戦いを描いた、William S. Burroughsの著作を基にしたドイツのカルトサイバーパンク映画『Decoder』('84)のサントラ盤。サウンドテロリストFMを演じるF.M. EinheitとEinstürzende Neubauten、Genessis P. Orridge、Matt Johnson率いるThe The、Dave Ball(ex Soft Cell)ら、低予算とは思えないもの凄い面子が集結。まずは、ビロウなシンセの鳴りがなんとも云えないメインテーマの淫靡ヴァージョンから。スリーヴアートもサイコー。大推薦盤! LISTEN |
Libra
70年代フランスにおける電子音響実験の地下水源のひとつである自主レーベル兼グループPôleに関連する活動の他、コンテンポラリーダンス、放送用音楽、ちびっ子音楽の分野でも異能ぶりを発揮している、電子音楽家Philippe Besombes。75年に謎の自主系カルト映画のサウンドトラックとして制作され、半世紀経った現在も異端音楽探求家の間で珍重され続けている怪盤。電子回路に憑りついた化け猫の乱舞から、コズミックドラム渦巻く極上の無重力グルーヴまで、どこを取ってもエグい音しか出てこない狂気のサイケデリックマインドパノラマ。大変希少になっているPôle Recordsのオリジナル盤。強力! LISTEN |
Trail Of Destruction
70年代の米西海岸で匿名の芸術家たちによって組織され、合体増殖変身を繰り返しながら40年以上に渡って分類不可能な活動を繰り広げている、米国逸脱音楽史のなぞなぞブラックホールBig City Orchestra。メールアートネットワークに接続された80年代の膨大なカセットテープ作品群より、フランスの地下レーベルから発表された87年作。試聴は、原始的な電子回路を用いた奇妙な宅録ミニマル工作から。その他、仮想民族音楽風、ぼんや〜り浮遊する虚脱気味の謎電子音楽など、ほとんど狐につままれてる気分の全5曲。この実体の無いアブストラクトな彷徨い感が持ち味。大推薦盤! LISTEN |
Canti Illuminati
MEVでの急進的な即興実験を経て、音楽のより根源的な起源へと探求を深めていった最充実期の名盤。73年〜77年にかけて録音された人間の声と唄の音源を基に、フィードバックシステムとシンセサイザーを用いて制作された82年作。自身の唄、即興による合唱、家族の集まりで録音された父親の唄、フィレンツェの洗濯婦の鼻歌、それらを電子音響を交えた五感的なミックスワークによって構造化した、唄の風景を巡る極上の霊性サウンドスケープ。試聴は、霧笛の遠鳴りに音声が重なる冒頭の一幕から。調和的な光の印象に満ちた詠唱ミニマルへと結ぶ、終盤にかけての感情を揺さぶる展開も秀逸。一生ものお探しの方に。 LISTEN |
Attenti Al Fuso
出自であるブルースからの逸脱と、ポストフリーを模索する英国ジャズ最前衛との共演をを経て、ポリネシアあたりの想像上の南国イメージを拠り所とする個人的なサウンドスケープ探求に着手、還暦間近の90年代の終わりにとうとう脳内辺境最奥の景色に到達し、以来80歳を過ぎた現在も未知なるサウンドスケープを模索し続けている、四次元の旅人Mike Cooper。その脳内旅の模様が刻まれた自主CDRレーベルHipshotから発表された02年作。英国レゲエの先駆者G.T. Mooreが繰り出すダブビートと、御大の想像力過多なエキゾイメージとが反応している不穏グルーヴの数々。ほとんど悪夢。大推薦盤! LISTEN |
Tempest
カセットメディアを介して世界各地の潜伏アーティストを結んだ80年代メールアートネットワークの最重要ハブとしての影響力も計り知れない、オランダの都市ズヴォレ発の地下音楽集団兼自主レーベルDe Fabriek。第四世界、ミニマル、テクノ、アンビエント等、あらゆる角度から再解釈が進んだ現在も尚オルタナティヴな視点を提供し続ける膨大な作品群より、94年発表の一枚。脳内辺境奥地へと続く激イマジナブルな地球外クロスオーヴァー(Bサイド全面)だったり、阿波踊りを過剰ブーストした感じのゴリ押し原始テクノだったりの全6曲。砂絵のシンボルアートが施された500枚限定仕様。大推薦盤! LISTEN |
Chris Wind’s Christmas Album
身の回りの自然環境に着想を得たサウンドスケープの制作や、コンピューターを用いた古典音楽の再解釈に取り組んでいる、カナダの潜伏作曲家Chris Wind。80年代からひっそりと続けている自主制作活動の初期の作品となる、90年のクリスマスソング集。ヴォーカルとしてクレジットされているPeg Tittleなる人物の唄も絶妙な『ママがサンタにキスをした』のパロディをはじめ、どこを取っても自宅録音の音情に打たれる全14曲。おもちゃみたいな電子音の質感もいい感じ。駄菓子のおまけみたいな乙女オブジェクトがペーストされた、一本一本異なる手製スリーヴ。聖夜のお供にどーぞ。 LISTEN |
Breathe On The Living
内なる世界に耳を傾ける全ての詩的探求者の為のレコードとして、ライト州立大の生徒が運営する美術誌"Nexus"によって制作された、89年の三枚組コンピ。ビートニクに連なる異端詩人をはじめ、Michael Hurley、Angus Maclise、Loren Connorsら、米国オルタナティヴカルチャーの異端史を体現する面々がずらり。試聴は、シンセ奏者と詩人の無名コンビによる一曲から。ビートニクと親交を結んだ放浪詩人ナナオサカキが長野県大鹿村で音楽家や農民と行った伝説のセッションや、本盤の構成/スリーヴフォトを手掛けているサイケデリック導師Ira Cohenによって紹介されたスーフィー教団の秘儀も収録。大推薦盤! LISTEN |
Hope For La Roo
マルチプレーヤーとして一線の音楽家たちと共演を重ねる傍ら、持ち前のオープンマインドなクロスオーヴァー志向に基づく独自の作曲活動に取り組んでいる、米国の作曲家David Oliver。自主レーベルDamiana Recordsから発表した84年作。世界各地の民族音楽への探求や、樹木、土、水、風といったエレメンタルなイメージを、ミニマリズムとジャズの余白に落とし込んだ感じの大変良質なコンテンポラリーサウンド。試聴は、きらきらと乱反射する瑞々しい光の印象に包まれる一曲『Willow』から。アンビエント/ニューエイジ経由のアップデートされた視点からも絶賛再評価中。大推薦盤! LISTEN |
Atto V
Vladimir Chekasin、Vyacheslav Ganelinと共に、旧ソビエト末期にかけての空前のジャズ大進化期をぶっちぎりで先導し、その後も演劇、ダンス、インスタレーションアート、映像、その他もろもろに接続された極めて独創的な拡張実験に取り組んでいる、リトアニアの特殊打楽器奏者Vladimir Tarasov。その哲学がダイレクトに投影された、ソロシリーズ『ATTO』の91年の5番。全1曲49分間に渡って繰り広げる、空間認識の構造と変容を探る激サイキックな即興パフォーマンス。謎めいたサウンドスケープから、ミニマルなシンセシーケンスと交わる後半への思索に富んだ運びも絶妙。オリジナルデッドストック発掘。 LISTEN |
Batang Frisco
80年代ベイエリアの地下シーンから現れた二名のシンセミニマリストEric JensenとBill DiMicheleによって結成された、タガログ語で『サンフランシスコの子供たち』を意味するBatang Frisco。ミニマルシンセ求道者の間で珍重されてきた一枚ですが、ニューエイジ/アンビエント経由のアップデートされた視点からも再発見されている86年の自主制作盤。荒ぶる冒険心と内向きな歌心の狭間で揺れ動く、危ういきめらめきを放つミニマルシンセの変種全8曲。試聴は、Numeroレーベルによって編集されたポストモダンミックス『Reach』にも収録された、音情豊かなサウンドスケープ『Myth』から。大推薦盤! LISTEN |
Vagif Mustafa Zadeh
古代シルクロードによってもたらされた多様な異文化の混交を起源とする、アゼルバイジャンの神秘の音楽ムガム。即興を根本とするムガムとジャズの接点を見出し、79年に39歳の若さで亡くなるまで、古代と現代を結ぶ前代未聞の融合実験に打ち込んだ、ムガムジャズ創始者Vagif Mustafa Zadeh。ご当地レーベルによって、残された国宝級秘蔵音源の中から選曲された04年作。古今東西絡み合う複雑な織り模様から立ち上がってくる魔術的グルーヴの数々。電子オルガンの即興的な爪弾きや断片的テーマが現れては消えていく、探求と創作のモンタージュ『"Bayatı Şiraz"』など全11曲。大推薦盤! LISTEN |
Music With Children - Playing The Recorder
フォークロアに着想された人懐っこい曲想や、誰でも簡単に演奏できるよう配慮された玩具楽器に象徴される、大作曲家Carl Orffによって考案された、エレメンタルムジークと呼ばれる原初的音楽を基にした子供音楽教育の経典『Orff Schulwerk』。米国で最も早くからこの手法を取り入れた学習プログラムの普及に取り組み、全米各地の公立学校制度に導入した功績で知られる、音楽教師Grace Nash。オルフマナーに倣ったレッスンの模様を、ちびっ子アンサンブルの実演を交えながら解説した67年の教材レコード。淡い光の印象を放って揺れる玩具楽器のドリーミンな響きにうっとり…。大推薦盤! LISTEN |