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Volition
ジャズとロックの煮えたぎるような熱い融合を核として、ノルディックフォークロアの精神風土や、世界各地の民族音楽から抽出された土着成分をもりもり取り込み、巨大なエネルギーを放つ極めて濃密な混合音楽を生み出したフィンランドのグループKrakatau。異能ギター奏者Raoul Björkenheim(ex Scorch Trio)を中心に、同じくフォークロアの機微をジャズに取り込む作風で知られるJone Takamäkiを含む編成で発表した92年作。試聴は、厚く折り重なった轟音と静寂の陰影の層から浮かび上がってくる、五感を揺さぶる有機的なテクスチュアの奥深さに息をのむ一幕から。大推薦盤! LISTEN |
Tempo Furioso (Tolles Wetter)
奏者の自由解釈と偶然性の想像力を重視した作曲に取り組み、地図、星座、写真等の視覚的イメージを素材にしたコラージュスコアに基づく作品を残した、ザグレブ出身の作曲家Martin Davorin Jagodic。その姿勢を反映するように、40年に渡ったキャリアで録音物はこの75年作のみ。鳥、海、音声、放送電波などが綴れ織りになった、イメージ揺さぶる騒音の迷宮『Tempo Furioso (Tolles Wetter)』全一曲。拡張的リスニングの為の本盤の使い方が記されたご本人の解説によると、3台〜4台のターンテーブルを使い異なるパートを同時再生すべしとのこと。伊Cramps Recordsの名物シリーズより。大推薦盤! LISTEN |
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Gravita' Zero
クラシックギター奏者/作曲家Guglielmo Papararoによって録音された77年のライブラリー盤。リリースは、サウンドトラックや放送用音楽の名盤が数多く残された、伊RCAの名シリーズ"RCA Original Cast"。佇まいからして電子音楽と思いきや、ギター、合唱、オーボエ、フルート、トランペット、打楽器等を含む器楽編成に軸を置いた、空想にしっぽり浸れる室内楽集といった趣き。まずは、マッドなギターづかいに圧倒される不協和音の迷宮『Iperspazio』から。続いて、ピアノ奏者Vittorio Montisとコーラスをフィーチュアした、星空をひろげたような幻想的イメージに満ちた一曲『Jonosfera』。大推薦盤! LISTEN |
Sierra Leone: Musiques Traditionnelles
西アフリカのシエラレオネに住む各民族の音楽を収録した79年作。録音は、50年代から世界各地の民族音楽収集に取り組み、丸ごと博物館に収蔵したい現地録音の名盤の数々を残した、民族音楽学の母ことJean Jenkins。まずは、ポリリズムの滝に打たれてる気分のリンバ族のドラムミュージックから。立体的なテクスチャを添えている鳴り物の響きが絶妙。グリオの家系で受け継がれるケロナルと呼ばれるリュートを演奏するのは、サバンナの遊牧民フラ族。執拗に打ち返すケロナルの爪弾きと男声コーラスの輪舞。次第に高まっていく陶酔的な唄のうねりに包まれる圧巻の音場体験。大推薦盤! LISTEN |
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Boner
この不穏な装画の作者でもある藤井義之を中心に、PressureやChance Operationといった先鋭的なポストパンクグループで活動した古澤隆広や、民族音楽に着想を得たThe Mask Of The Imperial Family名義での尖り果てた宅録実験作('81)が世代を超えて再発見されている現Qujilaの杉林恭雄が参加した、短命ながらニッポンインディーズ史に鮮烈なインパクトを残したグループBananarians。解散後にTelegraph Recordsから発表した82年作。どこか飄々とした捉えどころのないしなやかさと、UKダブ/ポストパンク由来のむき出しのエッジを備える全7曲。茶封筒に入った手紙風のインサート付き。大推薦盤! LISTEN |
Sanctuary Mine
終息したかに見えたNYのフリージャズに、青白く燃え上がる鬼火のような冷たい炎を灯したロフトジャズムーヴメント。その最末期の魔窟から現れた歌手/作曲家Amy Sheffer。本盤でもエンジニアとして異能ぶりを発揮しているMarzette Wattsのアンサンブルに、あのPatty Watersと共に抜擢された経歴を持つ筋金入り。自主レーベル第一作目となる80年作。ドぎつい乙女夢想の淵を彷徨う魔性のメランコリージャズ全4曲。匂い立つような空間づかいも圧巻。ESP界隈での名演で知られるダブルベース奏者Steve Tintweissが参加。際どい情緒がモロだしのご本人による装画もすてき。大推薦盤! LISTEN |
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The Light (Bonjour Madame)
盟友であるMartin KippenbergerやAlbert Oehlenらと共にマルチメディアに渡る挑発的なパフォーマンスを繰り広げたコンセプチュアルアーティストであり、そこから誇張とパロディに満ちた治外法権的アプローチで謎めいた音楽活動にも取り組んだ、オーストリアの奇才Jörg Schlick。ダンスフロアの帝王って感じのフェイクディスコスター設定から始まった変名J.B. Slikによる01年作。持ち前の歌心とダンスミュージックへの解体的アプローチが反応している全5曲。共演は、ウォーホールアイコンとして知られる現代美術家Ultra Violet。Albert Oehlenの自主レーベルLeiterwagen Recordsより。大推薦盤! LISTEN |
Sunday Palaver
規格外の地球外グルーヴを生み出したクラウトロックの極北Dzyanの異能打楽器奏者Peter Giger。そこから更に深く脳内辺境奥地へと踏み込んでいった70年代模索期を経て、各国の一線のジャズ勢や越境者を巻き込む形で到達した最終形態Family Of Percussion。自主レーベルNågaråから発表した80年作。まずは、持ち前のマッドなシンセづかいで深みというか歪みを添えている鬼才Wolfgang Daunerの存在が際立つ、激ドープな地球外クロスオーヴァー『Circulus Aquae』から。ドラム缶の乱舞『Sunday Palaver』も強力。Alan Skidmore、Trilok Gurtu、Doug Hammondらが参加。大推薦盤! LISTEN |
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Current Trends In Racism In Modern America (A Work In Progress)
変化、反復、加減速、メモリー、模倣といった、予め定義された様々なタクトの動きによって、即興演奏をリアルタイムで指揮・合成する『コンダクション』と呼ばれる集団合奏システムを考案する異才Butch Morris。85年の歴史的パフォーマンスを収録した名盤。これが、進化し続けながら200回近くもの実践を重ね、数多くの名演を生みだすコンダクションの初演。Frank Loweをはじめとするロフトジャズ人脈に加え、John Zorn、Tom Cora、Christian Marclay、刀根康尚ら、新進気鋭のダウンタウン勢やサウンドアート勢を含む拡張編成。そこはかとなく優雅でどこまでも繊細な破調と調和の綴れ織り。掛け値なしの傑作。 LISTEN |
Things Are More Like They Are Now Than They Ever Were Before
ヨーロッパ発の急進的なロック解体の動きに米国から呼応した、メリーランド州シルバースプリング発の良質レーベルRandom Radar Records(Cuneiform Recordsの前身)の創設者/プロデューサーSteven Feigenbaum。レーベルの看板グループであるThe Muffinsのサックス奏者Tom Scottを迎えて録音された、数少ない自身名義作品のひとつとなる80年作。室内楽調の多重録音アンサンブル、軒先即興セッション、分解されたロックの断片的イメージ、そんな取り留めのない創作のスケッチが環境音と共に綴り合わされた、同氏の頭ん中の覗いてる気分の奇妙なサウンドスケープ仕立て。大推薦盤! LISTEN |
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Ghana.... Music Of The Northern Tribes
Milford Gravesと人跡未踏の秘境音楽を同次元で捉える並外れた越境感度を持つ鬼才プロデューサーであり、そこから伝説の多文化パフォーマンススペース"SOUNDSCAPE"を立ち上げる、民族音楽学者Verna Gillisの仕事を堪能できる名盤。ガーナ北部で独自文化を維持する6つの部族を訪ねた70年代の現地録音盤。なかでも、ユニークな建築様式で知られるカッセーナ族は音楽もやっぱり独特。中空を浮遊する反復フルートのサイキックな無限輪舞や、コノと呼ばれる伝統弦楽器を用いた、身体の内側からじわりと温めてくるような爪弾きコーラスなど。Verna Gillisの鋭い音楽嗅覚を感じさせる貴重録音の数々。大推薦盤! LISTEN |
Apologize / Draw
探求者のあいだで様々な憶測が飛び交うも、未だ謎に包まれたままの80年の自主七吋盤。録音関係者の名前以外にクレジットはなく、連絡先としてサンフランシスコの住所が記されているのみ。探求者によって指摘されている通り、FactrixやMinimal Manといった魍魎が蠢く西海岸の地下魔窟を彷彿とさせる、ヤバさむんむんの逸脱シンセパンクといった趣き。ずたぼろのハンマージャンクビートで迫ってくる『Apologize』ほか全2曲。グループ名(そもそもグループなのかも不明)が印字された茶封筒に、ピクチャースリーヴ、リリックシート、ポスターが封入された魅惑のアートワーク。大推薦盤! LISTEN |
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Coming Forth In Light
80年代英国中部の地方都市を結ぶ宅録実験の地下ネットワークから現れた、シュルーズベリー発の二人組The Land Of Yrx。近隣諸国も巻き込むこのネットワークの前線拠点となって数々の名盤を生んだ、AlanとSteveのFreeman兄弟による良質自主レーベルAuricleから発表した87年作。ライヴやスタジオでの未発表ワークスに、84年の『Cerebration』からのリミックスを加えた構成。コスミッシュクラウトロックからの影響を、宅録スケールのセンスとアイデアでサイケデリックな地球外エレクトロに仕上げた全8曲。ずたぼろの音像をさらに過剰ブーストさせた容赦ないリミックスも強力。大推薦盤! LISTEN |
Überfällig
独自のエコーシステムによって無限拡張化されたギターの響きと脳内辺境奥地の景色とが反応している、70年代コスミッシュクラウトロックの最深到達点『Samtvogel』('74)で知られる、鬼才ギター奏者Günter Schickert(ex GAM)。そこからさらに踏み込んだ仕上がりの79年作。生まれ育った大都市ベルリンの音の体験から構造化されているというミニマリズムの独自解釈と、動物や自然といった環境音を含むオーガニックなイメージとが際どい歪み反応を引き起こしている全4曲。軒先風情あふれる牧歌アシッドフォークも有り。名盤しかない良質レーベルSky Records屈指の一枚。大推薦盤! LISTEN |
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Crossings
とことん手作りな電子音工作と、歪んだ脳内エスノ風景とが反応している謎めいた作品の数々を残した、宅録二人組Port Said。正体は、NYを拠点に活動した端境の住人Stefan Tischlerと、Keelerの名義でも良作を残している電子音楽家Keith Walsh。好事家垂涎のアイテムとなっている自主カセットテープの一本となる83年作。二人の作品にちょいちょい参加しているAnton Tibbeのギターがフィーチュアされている全5曲。目玉は、何処までも連なるリズムボックスのビートとコズミックギターの浮遊ジャム『Samba Del Sol』(試聴-3)。見渡し良好な脳辺境最奥の眺望へとごあんな〜い。大推薦盤! LISTEN |
Muun Music Universe Vol. I - The Peace Church Concerts
即興演奏を通して世界共通言語としての音楽を探求する非営利の学びの庭”Creative Music Studio”を設立し、40年以上に渡って何千人もの参加者と共に音楽の叡智を共有し続けた、現代ジャズ進化史における最大の功労者のひとりである、教育者/作曲家/ヴィブラフォン奏者Karl Berger。Dave Hollandら、CMS最初期の参加者と共にNYの教会で行った74年の伝説的パフォーマンスを二枚のレコードに収録した自主制作盤。試聴は、Richard TeitelbaumのエレクトロニクスとGarrett Listのトロンボーンを含む、再編時MEVに連なる編成による一幕から。森厳とした空間性を湛える静寂に覆われた極上の霊性ジャズ。 LISTEN |
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